第3回 Asset Management Women’s Forum: 資産運用会社15社が国際女性デー特別イベントを開催し、ジェンダー・ダイバーシティに関する調査を実施しました

フィデリティ投信株式会社のプレスリリース

資産運用業界における女性活躍推進に向けて業界を横断した取り組みを行うネットワーク「Asset Management Women’s Forum(AMWF)」は、3月8日の国際女性デーを前に2024年2月をAMWF月間と位置づけ、ジェンダー・ダイバーシティについて多様な角度から考えるイベントを開催しました。

 3回目となる今年のイベントでは、「働く女性」・「人材育成を担う管理職」・「ジェンダー・ダイバーシティ推進責任者」の3つの視点から、性別にとらわれないキャリア形成や業界横断的なネットワーク構築を目的としたセミナーやワークショップを開催しました。

今回のイベントについて、2023年度AMWFチェアを務める野村アセットマネジメント株式会社 アドバイザリー運用部長の中村麻里氏は次のようにコメントしています。

 

「3つの異なる視点をテーマに、幅広い参加層から多くの方々にご参加いただき感謝申し上げます。今年は、全てのイベントに対面での参加を可能としたことで、講演聴講後はリアルにディスカッションをする機会を設けることができました。皆さまが印象に残ったことを持ち帰って、小さなことでも意識や行動の変化に結びついていたら嬉しく思います。今後はより多くの方にご参加いただけるよう、AMWFの活動の輪を広げていきたいと考えています。政府が資産運用立国を掲げ資産運用業界が注目される中、女性をはじめ、多様なバックグラウンドを持つ方々に向けた情報発信に力を入れ、更なるAMWFの認知度の向上を目指していきます。」

今回AMWFでは初の試みとして、イベント参加者を対象に「資産運用業界におけるジェンダー・ダイバーシティに関する調査」を行いました。(イベント参加者321名、回答数180)

主な調査結果:

  • ž97%が資産運用業界の競争力を高める上でジェンダー・ダイバーシティが重要と回答

  • 重要な理由に男女差: 男性や経営層では「女性を含む多様な視点はイノベーション創出や競争力向上につながる」、女性や経営層以外では「優秀な人材確保のためには働きやすく多様性のある組織が求められる」が理由のトップ

  • 職場に求めることへの男女差: 現状ではまだ多くの組織が取り入れていない「管理職の評価に女性育成に関する指標を含める」ことを求める女性は52%、男性は26%

  • 求める制度と現状にはギャップ: 多くの企業が導入する「男女育児休暇制度の活用推進」よりも、「メンター制度やロールモデルの育成」や「管理職の評価に女性育成に関する指標を含める」ことを求める声が上回る

女性の52%(男性は26%)が管理職の評価に女性育成に関する指標を含めることが必要だと考えている
「職場に求めること」 vs 「職場が取り入れていること」

調査では、以下のようなコメントも寄せられました。

  • ž女性・男性と分けず、利用しやすい制度や評価・研修の整備、働き方改革などを求める。(20~40代の男女回答者)

  • 管理職の評価に女性育成などD&Iの取り組みを含める、またアンコンシャス・バイアスの研修を繰り返し各階層向けに実施するなどが有効。(40代女性回答者)

  • 制度はあっても従業員のニーズを必ずしも汲んでいない、また制度があっても障害なく利用できないのであればないに等しい。(30~40代の男女回答者)

  • 育休充実より、海外のように第3者に預けやすい環境、社会全体で育児をする環境を目指すべき。(経営・役員層の回答者)

  • 女性のみならず男性も含めた働き方改革が必要。(運用/調査/トレーディング部門の回答者)

今回の調査結果について、2023年度AMWFバイスチェアを務めるフィデリティ投信株式会社 クライアントサポート副本部長兼サステナビリティビジネス推進部長の野々垣智夏氏は次のようにコメントしています。

 

「資産運用業界におけるジェンダー・ダイバーシティへの取り組みには課題もあり、AMWFはそれらを共有し一緒に考え変えていくために立ち上がりました。今回の結果を見ると、ジェンダー・ダイバーシティの重要性は広く認知されています。女性活躍を支える制度は整いつつありますが、指標を導入し、多様な働き方を後押しする必要があります。現場の期待と実態、また男女の視点の乖離などをいかに解消して行けるか、引き続きAMWFは経営・管理層への働きかけなども通じて、変革を応援していきたいと思います。」

 

イベントの様子:

女性従業員を部下にもつ管理職の視点

資産運用(業界)における女性視点の重要性~マネジメントの立場から多様な人材を育てる

講演: 株式会社SDGインパクトジャパン 代表取締役 小木曽 麻里 氏

参加者: 資産運用業界で働く管理職 111名

会場: 三菱UFJアセットマネジメント株式会社

「資産運用(業界)における女性視点の重要性」をテーマとし、小木曽氏が資産運用業界におけるジェンダー・ダイバーシティや多様性の推進について講演され、講演後は会場参加者によるグループ・ディスカッションを実施しました。「D&Iの重要性への理解を深められた」「同業者間での議論自体が新鮮であった」等の声が寄せられました。

当活動を通じ、運用業界内のネットワーク構築、各社課題・好事例の共有など自社取り組みの見直しと重要性を再認識する機会となりました。今後もAMWF活動を通じ、資産運用業界における女性活躍推進に貢献してまいります。

(イベント主催社代表) アムンディ・ジャパン株式会社 マネージング ディレクター 人事部長 小家麻里奈 氏

会社の仕組みや文化を変えるベストプラクティスの視点

経営戦略としての多様性~変革を起こすリーダーとは

講演: CVC Japan Senior Executive Advisor、日本オラクル取締役会長、武田薬品工業社外取締役、ボストンサイエンティフィックコーポレーション社外取締役 藤森 義明 氏

参加者: 資産運用会社のジェンダー・ダイバーシティ推進担当役員・部長職24名

会場: 日興アセットマネジメント株式会社

 

藤森氏よりジェンダー・ダイバーシティ推進による企業価値向上、そのためにリーダーが取るべき大事なポイント等についてご講演後、現在の課題と解決策についてグループ・ディスカッションを行い、参加者がジェンダー・ダイバーシティ推進を担うリーダーとしての決意を発表しました。「業界における共通の課題を議論でき、とても有意義だった」、「他社のお話しを聞くことで、当社のアクションプランをより加速させようという認識がめばえた」等、力強いコミットメントの声、またAMWFの活動を後押しする様々なアイデアをご提供いただきました。

会社の垣根を越えての議論はどこも熱意に溢れ、業界全体の課題と向き合う姿は参加者同士でも共感を呼び、会場が一体となりました。本イベントを通じて、横断的なネットワークが拡大されると共にお一人お一人の変革に繋がっていくことを願います。

 (イベント主催社代表) 日興アセットマネジメント株式会社 グローバル人事企画部コーポレートHRグループマネージャー 上地輝子 氏

女性従業員の視点

資産運用会社で女性が活躍できるカルチャーづくりのヒントを得る!

パネルディスカッション登壇者:アライアンス・バーンスタイン株式会社 代表取締役社長 阪口 和子 氏、大和アセットマネジメント株式会社 取締役兼執行役員 嶋田 由香 氏、ニッセイアセットマネジメント株式会社 執行役員運用本部副本部長 井口 譲二 氏、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 代表取締役社長 大越 昇一 氏 (モデレーター)

 

参加者: 資産運用業界の方 186名

会場: JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社

資産運用会社で女性が活躍できる魅力的な職場にするために、多様な見識・ご経験をお持ちのビジネスリーダーの方々にお話いただき、「来たチャンスはしっかり掴む」「まずは何でもやってみる」等前向きで心に響く、ご経験談を伺うことができました。また、日本のカルチャーは、自分と異なる意見を受け入れる「インクルージョン」が苦手なのではとのご意見もでました。その後、部門・職種に分かれそれぞれの課題やそれに対する乗り越え方等、幅広い意見交換を実施しました。

WGメンバー各社と議論を重ねることで、共通して抱えている問題意識や解決策に対して、意見を共有しながらイベントを企画できたと感じています。参加者から「楽しかった」というフィードバックも多く、企画側が期待していた以上の結果になりました。

   (イベント主催社代表) JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 機関投資家営業部 エグゼクティブディレクター 岡田千枝 氏


AMWF全般に関するお問い合わせ:

AMWF2023年度チェア:

野村アセットマネジメント株式会社 

AMWF事務局 

 project_g@nomura-am.co.jp

AMWF2023年度バイスチェア:

フィデリティ投信株式会社

AMWFワーキンググループ

 FIL-JapanAMWF@fil.com

Asset Management Women’s Forum (AMWF)とは:

 資産運用業における財産は人材であり、競争力とイノベーションの源泉との考えに基づき、多様性を尊重し生かす視点での新しい価値観の創出、中でも女性社員の活躍は、資産運用業界全体の持続的成長に欠かせないものであるという理念のもとに2022年春に発足。現在は発足メンバー4社の代表がボードメンバーとして、本フォーラム全体の運営管理や、各ワーキンググループが行う活動の支援、会員の承認や定期ミーティングの招集に係る事務手続き等を行っています。

ボードメンバー企業

大和アセットマネジメント株式会社

野村アセットマネジメント株式会社

フィデリティ投信株式会社

三菱UFJアセットマネジメント株式会社

メンバー企業

あおぞら投信株式会社

アライアンス・バーンスタイン株式会社

日興アセットマネジメント株式会社

ニューバーガー・バーマン株式会社

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

 JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社

アムンディ・ジャパン株式会社

東京海上アセットマネジメント株式会社

ニッセイアセットマネジメント株式会社

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

EY新日本有限責任監査法人

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