第198回景気動向調査 特別調査「中小企業が直面する経営課題 -2024年業況予測」

大阪信用金庫のプレスリリース

  • 日本の景気は回復するか:二極化が一段と進む可能性

 2023年の日本の景気は、「良くなった」17.5%、「横這い」49.0%、「悪化した」33.5%となり、一段と悪化したという回答が目立ちました。2024年は、「良くなる」28.0%、「横這い」38.9%、「悪化する」33.1%となり、厳しいながらも3割近くが良くなると予測しており、二極化が進むことが予想されます。

  • どこまで転嫁できるか:販売価格上昇31.0%、仕入価格上昇52.0%

 2024年の自社の業績は、販売価格が「上昇する」31.0%に対して仕入価格が「上昇する」52.0%と大きな差があり、一定程度価格転嫁が進んだ2023年からさらに価格転嫁を推し進めることができるかが業績改善のポイントとなりそうです。

  • 2023年 仕入物価以外も幅広く高騰:高コスト化する運営費

 中小企業の経営への影響が大きい要因として「仕入価格の高騰」が68.9%となりました。

次いで、「広範囲の物価上昇」34.4%、「人手不足」30.1%が上位を占めました。

仕入単価以外にも幅広く物価は上昇しており、人件費まで含めたコスト増体質にあるにも関わらず価格転嫁が進まないことが、企業業績が改善しない主な要因となっています。

  •  2024年 課題は「価格転嫁」「人材確保」など多面的に:支援者が必要

 2024年の経営課題として「販売価格の見直し・価格転嫁」51.5%、「人材の確保」31.1%「人材の育成・戦力化」29.2%と続いている他、取引先の確保など様々な課題があります。

 組織力で対応できる人員が多い企業でも苦戦する課題が多く、「メインバンクに相談」14.3%、「専門業者などを活用」13.9%といった対応策を検討する回答もあり、社外の協力者・支援者との関係を活用することが重要な要素となりそうです。

詳細はこちらからご覧ください。

https://www.osaka-shinkin.co.jp/pdf/report/202312_tokubetsu1.pdf

調査時点:2023年12月上旬

回答企業:600社(回答率35.6%)

調査方法:調査票郵送、Web回答による調査