マネックスクリプトバンク株式会社のプレスリリース
マーケットパフォーマンスセクションとプロジェクトアセスメントセクションに分けて暗号資産を総合的に評価するモデルへ刷新
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MCBクリプト格付けのアップデート内容
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データの種類に応じた格付けの分割
前回の格付けでは、流動性やカタストロフィーリスクのような市場データに基づく指標と、スケーラビリティと分散性やハッキングリスクのような市場以外のデータに基づく指標を統合的に評価していた。しかし、市場データに基づく指標は相場全体の動きに影響されやすく、また暗号資産プロジェクトの内容を代表するものではないため、コミットメントやガバナンス等のプロジェクト固有の性質とは区別して評価するべきだと考えた。
そこで今回の格付けはデータの種類に応じて、暗号資産のマーケットデータに基づく指標を評価する「マーケットパフォーマンスセクション」と、暗号資産プロジェクトの運営主体に関する指標を評価する「プロジェクトアセスメントセクション」と大きく2つのセクションに分割し、それぞれで総合評価を算出することにした。今回は前者の詳細について発表する。
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評価を絶対評価に変更
今回の格付けでは銘柄ごとの相対評価から絶対評価へ評価方法を変更した。これにより、格付け結果が他の銘柄に大きな影響を受けることがなくなり、またヒストリカルな格付け結果を見る場合に、数値の変動自体が意味を持つようになる。例えば、ある銘柄の点数が1年間で上昇した場合に、相対評価ではその銘柄が良い状態になったのか、他の銘柄が悪い状態になったのかが不透明だが、絶対評価であれば単純にその銘柄が点数上昇に関わるようなポジティブな状態になっていることを示している。これは個別銘柄ごとの現状を正しく示すための変更である。
また、各項目の評価の変動がより点数に現れるよう、10点満点から1000点満点へと得点方法を変更した。
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評価項目の刷新
今回、評価軸を大きく二つに分けるにあたり、評価項目も刷新することとした。プロジェクトアセスメントセクションは現在開発中のため、ここではマーケットパフォーマンスセクションの評価項目について説明する。以下の三つの部門に大きく分けて評価を行う。
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流動性(40%):出来高や時価総額、時価総額比の出来高など
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スペキュレーションリスク(40%):最大騰落率、リターン、ボラティリティ、シャープレシオなど
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集中リスク(20%):トップアドレスによる占有率、ジニ係数など
評価項目のより具体的な説明については専用ページを参照されたい。
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更新頻度の引き上げ
マーケットパフォーマンスセクションに関しては更新頻度を引き上げることにした。具体的には半年から一年一回程度の更新を行う予定だったところを、1ヶ月に一回程度更新を行う。
初回のマーケットパフォーマンスセクションの評価基準日は12月10日とし、以降毎月10日を評価基準日とする。10日が休日・祝日の場合でも評価は10日に行い、結果を次の営業日に公表することとする。また年に一度、先述した評価方法、評価項目の見直しを含めた大型更新を行う予定である。マーケットパフォーマンスセクションに関してはこの見直しを毎年1月10日の評価更新に合わせて実施することを予定している。
今回の格付け結果(一部抜粋)
※時価総額順位は対象銘柄内でのランキング
●追加銘柄
LINK, PEPE, OKB, RNDR, MKR, OP, UNI, LDO, AAVE, TON, FTM, INJ, BAT, MANA, ZIL, GRT, CRO, QNT, COMP, ALGO, SAND, XDC, CHZ, DYDX, HT, AXS
●削除銘柄
XMR, XLM, HBAR, XTZ, THETA, ICP, FLOW, XEC
今回の結果では評価方法の変更があったこともあり、前回から順位に大幅な変動が生じた。
BTC、ETHは依然ダントツでトップ2を占める結果となったが、前回8位だったLTC、5位だったSOLがそれぞれ3位、4位と得点をあげた。今回新しく格付け対象となったオラクルプロジェクトのLINKは5位につけている。これら3銘柄は高い流動性に加えて集中リスクの観点で評価が高いことが、このような結果となった理由として挙げられる。
また全体で見ると前回と比して得点は減少傾向であった。絶対評価に変更したことでよりシビアな採点基準となったためだ。新たな基準においても上位銘柄(20位前後までに含まれるもの)の顔ぶれは大きく変わらず底堅い印象を受けた。一方で6点以上を投資適格の基準とした場合に、前回は16銘柄が該当したのに対し、今回は5銘柄のみにその数が減少している。
活用方法と今後について
マーケットパフォーマンスセクションは市場での各銘柄の安定性、収益性を表す指標として利用が可能である。投資判断をする際に厳選された項目を総合評価した本格付を利用することで、異なる銘柄を容易に比較することが可能である。また、市場データに特化した指標としたことで、需給やリターンの大きさ、トークンホルダーの偏りといった発行体の性質ではなく、トークン保有者・利用者の状況を色濃く評価に反映しており、相場感を俯瞰して把握する一助となるだろう。特に個人投資家にとっては投資対象銘柄を絞り込む際の心強い指標となるだろう。今後はスコアの変動を細かくウォッチし、その原因についても詳細な分析を施して発信していきたいと考えている。また投資家の声も拾いながら評価対象を随時追加していく予定であり、追加を希望する銘柄があれば弊社のXアカウントのポストにコメントいただきたい。
また、現在開発中のプロジェクトアセスメントセクションは、打って変わって相場などには影響されないプロジェクト自体の性質や特徴を評価する。これは例えばすでに成熟したプロジェクトの評価と類似プロジェクトの評価を比較することで、今後IEOやINOを検討しているプロジェクトに対して事前評価を付与する可能性にもつながると考えている。今後、発行体各社との連携を通じながらより発行体・投資家双方にとって有益な指標の開発を進めていきたい。今後トークン発行を検討しているプロジェクト、または日本でのトークン取扱を行いたいと考えているプロジェクトの方はぜひご連絡いただければと思う。
【バックナンバーレポート】
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レポート各種¥20,000円(税込)
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Monex Fear&Greed Indexー9つの構成要素から市場センチメントを評価
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MCBクリプト格付けー30種類の暗号資産を7つの項目別に相対評価
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GameFiとはなにか―DeFiの重要性と課題、CEXの役割
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PAVA指標のレイヤー1トークンへの適用可能性の検討
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金融バブルを検知するLPPLSモデルの暗号資産への応用
【MCB RESEARCH刊行にあたって】
最近では「web3」と呼ばれる次世代のインターネットが世界的に注目され、日本においても政府が骨太方針の中でweb3環境の整備を推進している。web3とは、人によって捉え方は様々だが、ブロックチェーンを基盤とするP2P型のインターネットを指し、その上では暗号資産の技術を活用した様々なデジタル資産がやり取りされる。
今やweb3は暗号資産やブロックチェーンを盛り上げるインターネットのトレンドワードとして存在している。世界中の企業がweb3における新しい事業の可能性を模索する中、分散型金融(DeFi)やノンファンジブルトークン(NFT)、自律分散型組織(DAO)、メタバース、ブロックチェーンゲームなどといった多くのテーマが登場している。しかし、これらのテーマを含むweb3の到来によって各業界のビジネスがどのように変化しうるかについては明らかではない。
そこでマネックスクリプトバンクではweb3の各テーマに関するリサーチおよび研究内容をまとめたレポート「MCB RESEARCH」を刊行することにした。本誌ではweb3全般の技術動向に着目した「TECH」シリーズと、暗号資産のマーケット動向に関連した「CRYPTO」シリーズなどに分けて内容をお届けする。
なお本誌は、価格変動の伴う暗号資産やNFTについて取り上げるが、客観的な情報提供を第一義としており、ここで取り上げる暗号資産等の売買を推奨するものではない。読者が本誌の内容を投資判断に活用する場合には、弊社は一切の責任を負わないものとする。
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info●cryptobk.jp(●を@に変えて送信してください)
担当:松嶋、中坪
【マネックスクリプトバンク株式会社について】
マネックスクリプトバンク株式会社は、2017年12月に設立され、暗号資産やブロックチェーンのサービスに関する調査、研究、企画、開発及びコンサルティングを提供しています。東証一部上場企業であるマネックスグループ株式会社の100%子会社であり、ブロックチェーンや暗号資産の最新動向・研究内容をお伝えする「MCB web3ニュースレター」や「MCBリサーチ」、NFTプロジェクト「OASIS」、ビットコインがもらえる二ュースアプリ「Cheeese」などのサービスを運営しています。MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表わしています。常に変化し続ける未来に向けて、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインすると共に、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化することを目指しています。