一般社団法人電子決済等代行事業者協会が「参照系APIの技術的改善に関する提言」を公表

一般社団法人電子決済等代行事業者協会のプレスリリース

一般社団法人電子決済等代行事業者協会は金融機関API※の利活用促進に向けて「参照系APIの技術的改善に関する提言」を公表したことをお知らせします。

※Application Programing Interfaceの略。家計簿ソフトや会計ソフトから、金融機関の利用明細を取得するときなどに利用する窓口にあたる機能。

■提言の背景について

改正銀行法によるオープンAPIの取り組みにより、2020年以降のサービス運用で蓄積されてきた金融機関APIの利活用の経験を踏まえ、ユーザーの利便性等に鑑みて技術的な改善が望ましい課題について、関係者にて検討を行ったものです。

速やかな対応を期待するものから中長期的に検討が必要な課題まで、3類型に分け9項目について提言をしています。

《A類型》

速やかな対応、次回システム更改等における対応

(1)コール数の削減

(2)AUP※利用の拡大

(3)電代業者の体制整備・フレームワーク作り

《B類型》

経済的インセンティブとパッケージで検討

(4)明細取得期間の延長

(5)リフレッシュトークン※有効期限の延長

(6)取得できる情報範囲の拡大

《C類型》

中長期的に検討

(7)Webhook※の導入

(8)APIの基本設計

 

※AUP(Agreed Upon Procedures)合意された手続:電子決済等代行業者が金融機関によるセキュリティチェックを受ける際に、各行ごとではなく、監査法人の仲介により、一度の手続で複数の銀行のチェックを質高く完了できる枠組

※リフレッシュトークン:家計簿ソフトや会計ソフトなどの外部サービスからのアクセスを再度許容するために、金融機関から発行する認証情報

※Webhook:金融機関の口座に入出金などがあった場合に、外部サービスに通知が送付され、リアルタイムでお金の動きがわかる仕組み

例えばリフレッシュトークンの有効期限が一定程度延長されることで、家計簿や会計ソフトから入出金明細を取得する際に、必要以上に頻繁に金融機関のIDやパスワードを入力する必要が無くなるなど、ユーザー体験を向上させることが可能となります。

また、電子決済等代行業者側でも、例えば残高情報照会を行って残高に変更が無い場合には明細情報照会を行わないといった、不必要なAPIの呼び出しを避け、金融データ流通のエコシステム全体での負荷を下げる取組などを推奨します。

本協会では引き続き、銀行業界とともに電子決済等代行業の健全な発展を目指し、政府ほか各種団体への提言や対話・協力を行ってまいります。

提言の全文は、下記リンク先よりダウンロードしてご覧いただけます。

参照系APIの技術的改善に関する提言:https://www.fapi.or.jp/wp-content/uploads/2023/08/abef759fcdb587afeddf27694023b002.pdf

なお、本提言を引用・転載される場合には、次の表記をお願いします。

『「参照系APIの技術的改善に関する提言」電子決済等代行事業者協会』

■電子決済等代行事業者協会について

本協会は金融機関の決済システムや口座情報に接続する事業者の健全な発展を目的として設立した自主規制団体であり、2023年3月29日に銀行法に基づく認定を金融庁から受けています。

セキュリティ体制を中心とする業務運営上の自主規制やガイドラインを制定し、その遵守を支援するとともに電子決済等代行業に関わるサービスの普及・啓発を推進しています。

名称    :一般社団法人電子決済等代行事業者協会

代表理事  :瀧 俊雄

所在地   :〒104-0042 東京都中央区入船2-1-1 住友入船ビル4階

設立年月日 :2017年11月27日

URL:https://www.fapi.or.jp/contact/