アニコム ホールディングス株式会社のプレスリリース
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「ウクライナのペット救援募金」の経緯
2022年2月にウクライナで勃発した戦争により、人間だけでなく、多くのペットにも被害が及びました。
これを受けてアニコムでは、ウクライナのペットと飼い主を支援するため「ウクライナのペット救援募金」プロジェクトを開始し、およそ1万人の皆さまからいただいた寄付金と、アニコムからの1,000万円を合わせた約5,600万円を、2022年5月にIFAW(国際動物福祉基金)に寄付しました。
これは、戦争で被災したウクライナのペットとその飼い主を支援し、彼らが安心して暮らせる社会を構築したいというアニコムの想いに、たくさんの方々に共感いただいた結果です。ご協力いただいた皆さまに、改めて心よりお礼申し上げます。
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寄付金の使途について
寄付金のうち、これまでにおよそ半分の225,000米ドル(2022年5月の為替レートで約2,900万円)が、IFAWによる以下の支援プロジェクト推進のために活用されました。
① ウクライナ国内の5つのシェルターに対して緊急助成金を拠出し、破壊された施設の再建や獣医療の提供といった緊急のニーズに対応(53,500米ドル)
② ウクライナ南部のオデーサと北東部のハルキウの獣医療施設を支援し、避難者や市民・シェルターのペットに対してワクチン接種とマイクロチップ装着、避妊・去勢手術を実施(171,500米ドル)
②の取り組みの結果として、1.7万頭のペットが診療を受けることができました。
残りの寄付金は、今後主に以下の目的で活用される予定です。
・USAVA(ウクライナ小動物獣医師会)と協力し、ペットやシェルターの保護動物に獣医療を無償提供
・シェルターの保護動物たちに食料を無償提供
●現地で活動した獣医師からのメッセージ
現地でIFAWの支援を受けながら活動していた獣医師のAndrew Kushnirさんから寄せられた、今回の寄付に対する感謝のメッセージをご紹介いたします。(要旨)
私はウクライナ人の血を引く獣医師です。戦争が始まった後、ウクライナとポーランドの国境に設置されたIFAWの活動拠点『ブルーテント』へ支援に向かいました。そこで目にしたのは、ポーランドに絶え間なく逃れていく避難者と、多くのペットの姿でした。
避難の途中は食べ物も水もほとんど手に入らず、彼らは寒さと疲れ・恐怖に苦しんでいました。それでも彼らのペットを診療し、食料や水・ペットキャリー・寝具・衣服を提供したことは、ペットと避難者双方に大きな意味がありました。とあるボランティアは「恐怖に行き場をなくしたような表情の避難者たちが『ブルーテント』に入ると笑顔になり、ほんの少しリラックスした様子で出てくるのを見る」と話していました。それを聞き私たちは、ペットだけでなく、飼い主である避難者たちも助けていたと気づきました。
だから、今回の寄付を下さった皆さまに感謝の気持ちを伝えたいのです。皆さまのおかげで、多くの活動が可能になりました。ウクライナの人々とペットを助けるために力を合わせてくれたことを、私は一生忘れないでしょう。
Andrew Kushnir
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ウクライナから日本に避難した方への支援
アニコムでは現地への寄付の他にも、ウクライナから日本に避難した方々とそのペットへの支援※も行っています。これまでに3組の避難者とペットに対して、ペットにかかる医療費などを支援いたしました。
※2022年4月19日ニュースリリース:「ウクライナ避難者のペットにかかる医療費を、アニコムが全額支援いたします(https://www.anicom.co.jp/news-release/2022/20220419/)
ウクライナから猫を連れて日本に避難してきたある女性は、8ヶ月齢の猫とともに、2022年8月にアニコムグループの『新宿御苑前どうぶつ病院(https://www.shinjukugyoenmae-ah.com/) 』を訪れました。
猫はウクライナで爆撃が始まって以降爆撃の音を怖がり、家の隅に隠れていたそうです。爆撃だけでなく度重なる移動のストレス、また去勢ができていないことを心配し、健康診断と去勢手術のため来院されました。
女性は手術のために愛猫を病院に預ける際、一時的とはいえ離れることを気にかけ「大丈夫。置いていかないから」と優しく声をかけていました。手術後には「ペットのことを気にかけてくれるところは少ないので、とてもありがたい」と話してくれました。
女性と猫は今年も同院に健康診断やワクチンのため来院。体重は4kgから6kgに成長し、健康診断の結果も問題なく、元気に過ごしています。
引き続きアニコムでは、避難者とペットが少しでも安心して日本で過ごしていただけるよう努めるとともに、すべてのペットとその飼い主が安心して笑顔で暮らせる社会の構築に貢献すべく、尽力してまいります。