オリックス銀行株式会社のプレスリリース
オリックス銀行株式会社(本社:東京都港区、社長:浦田 晴之)は、このたび、財産管理や資産承継を円滑に行うために家族と信託契約を締結する「家族信託」において、信託された財産を対象とした投資用不動産ローン※1(以下、信託内借入)の取り扱いを開始しますのでお知らせします。
受託者による信託財産の管理や運用は長期にわたり、投資用不動産の建築や購入、リフォームなどのさまざまな資金需要が想定されます。このたびの信託内借入の取り扱いにより、不動産賃貸を目的とした受託者へのご融資が可能になり、信託財産の管理・運用にお役立ていただけます。
当社は、2018年9月18日より、成年後見人制度や遺言制度などと家族信託を比較・検討しながら、お客さまのニーズにそった財産管理や資産承継の方法を対面でご提案する「家族信託サポートサービス」※2および、信託財産の分別管理を目的とした信託口口座「eダイレクト預金(家族信託預金特約)」の取り扱いを開始しました。このたび、信託内借入を開始することにより、認知症などの健康不安を抱え、財産管理や資産承継にお悩みのお客さまに対して、総合的なサポートを提供いたします。
長寿化に伴い、「金融資産の高齢化」が進んでいる一方で、2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症を発症すると予測されています。※3また、認知症患者が持つ金融資産は2017年末時点で143兆円、2030年には215兆円に膨らむと想定されており※4、個人の財産管理や資産承継への早期対策が必要とされています。
オリックス銀行は、今後も時代とともに移り変わるお客さまのニーズにお応えするために、新しい商品やサービスの創造に努めてまいります。
※1 信託契約の目的に沿ったお借り入れに限られます。
※2 最低54万円(税込)のお手数料をいただきます。
※3 出典:内閣府「平成29年版高齢社会白書」
※4 出典:第一生命経済研究所「認知症患者の金融資産200兆円の未来~2030年度には個人金融資産の1割に達すると試算~」より抜粋
■ 信託内借入の一例(リフォーム・大規模修繕工事によるお借り入れ)
① 委託者は信頼する家族(受託者)と信託契約を締結。信託財産として委託者の所有投資用不動産に信託登記を行う。受託者は、信託契約に基づき投資用不動産の管理や運用、処分などの賃貸不動産経営を行う。
② 受託者は賃貸不動産経営において、リフォームや大規模修繕工事などの費用が生じた場合に資金調達を行うことが可能。債権者は信託財産である投資用不動産に抵当権を設定し、目的に応じて受託者へ融資を実行する。
③ 受託者は賃料収入を信託口口座で管理し、借入返済を行う。
④ 信託財産から得られる収益(賃料収入)は受益者に帰属する。
※ 仮に、委託者兼受益者である父親が認知症などにより判断能力が低下してしまった場合でも、受託者による投資用不動産の管理や運用、処分が可能。